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初花凛々
第21章 秋桜の夜
いつもなら、胸の中心にある突起に触れると、凛からはため息混じりの甘い声が漏れる。
なのに、今日は____
「……マジかよ」
麻耶は思わず、ひとりごちた。
あろうことか、凛は麻耶のことを挑発するだけしておいて。
スースーと寝息を立てて、寝てしまったのだ。
麻耶は凛をタオルケットで包んだ。
先ほどおなかが痛いと言っていた凛を思い出し、凛を後ろから抱きしめおなかに手を当てた。
男の部分を、これでもかと煽られまくった麻耶。けれども腕の中で安心しきってスヤスヤと眠る凛を見ていたら_____
麻耶はつい、笑ってしまった。
あまりに可笑しくて、凛らしくて。
「……あれ?麻耶?」
翌朝、凛は麻耶が泊まったことすら覚えていなかった。起き抜けの麻耶の、少し伸びた髭を見て無邪気に笑った。
昨日は悶々として、もしかしたら眠れないかもしれないと思っていた麻耶だが、凛の温もりを感じていたら眠ってしまっていた。
一週間の出張。得意先に気を使ったこの数日間により溜まったストレスや疲労も、凛を抱きしめグッスリ眠れたことにより解消された気がした。
そのことを凛に伝えると、「やっぱり睡眠は大事だね」と、凛はニッコリ微笑んだ。
凛もまた、久しぶりに熟睡出来た気がする、と思った。
麻耶が出張に出かけたこの数日間は、それこそ悶々として、眠れない日々が続いていたから。
「麻耶ぁ〜」
語尾にハートでも付いているのかと思うくらい、凛は麻耶を甘えた声で呼び、洗面所で歯を磨く麻耶に後ろから抱きついた。
そんな凛のことを、麻耶は可愛がった。その姿はまるで____
「麻耶ってお父さんみたい」
「……は?」
「私のお父さんとは全然違うけどね!いいお父さんになりそう」
凛はふんふんとご機嫌に鼻歌を歌いながら、洗面所から出て行った。
やはり凛に振り回されっぱなしの麻耶は、歯ブラシをくわえたまま凛の後ろ姿を見て、笑ってしまった。
なのに、今日は____
「……マジかよ」
麻耶は思わず、ひとりごちた。
あろうことか、凛は麻耶のことを挑発するだけしておいて。
スースーと寝息を立てて、寝てしまったのだ。
麻耶は凛をタオルケットで包んだ。
先ほどおなかが痛いと言っていた凛を思い出し、凛を後ろから抱きしめおなかに手を当てた。
男の部分を、これでもかと煽られまくった麻耶。けれども腕の中で安心しきってスヤスヤと眠る凛を見ていたら_____
麻耶はつい、笑ってしまった。
あまりに可笑しくて、凛らしくて。
「……あれ?麻耶?」
翌朝、凛は麻耶が泊まったことすら覚えていなかった。起き抜けの麻耶の、少し伸びた髭を見て無邪気に笑った。
昨日は悶々として、もしかしたら眠れないかもしれないと思っていた麻耶だが、凛の温もりを感じていたら眠ってしまっていた。
一週間の出張。得意先に気を使ったこの数日間により溜まったストレスや疲労も、凛を抱きしめグッスリ眠れたことにより解消された気がした。
そのことを凛に伝えると、「やっぱり睡眠は大事だね」と、凛はニッコリ微笑んだ。
凛もまた、久しぶりに熟睡出来た気がする、と思った。
麻耶が出張に出かけたこの数日間は、それこそ悶々として、眠れない日々が続いていたから。
「麻耶ぁ〜」
語尾にハートでも付いているのかと思うくらい、凛は麻耶を甘えた声で呼び、洗面所で歯を磨く麻耶に後ろから抱きついた。
そんな凛のことを、麻耶は可愛がった。その姿はまるで____
「麻耶ってお父さんみたい」
「……は?」
「私のお父さんとは全然違うけどね!いいお父さんになりそう」
凛はふんふんとご機嫌に鼻歌を歌いながら、洗面所から出て行った。
やはり凛に振り回されっぱなしの麻耶は、歯ブラシをくわえたまま凛の後ろ姿を見て、笑ってしまった。