この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
初花凛々
第3章 朧月の夜
馬鹿にされると危惧していたのに。
須田は低く冷静な声で、「別に嫌じゃないと思うけど」と、ぶっきらぼうに言った。
「えっと…さっき、キスした事ないって言ったけど…実はエッチもした事ないの…」
「…そうだろうね」
「本当のことを言うとね…手も繋いだこともなくって」
「マジか」
そこで、須田は驚きの声をあげた。
_____やっぱり引くよね…。
凛は落胆した。すると須田は、凛の予想を裏切る言葉を返した。
「…わりぃ」
「え?」
「初めてだって知らなかったから、手繋いじゃったじゃん。言えよ先に」
「え…、だって!」
「言わないから…つーか、経験あるかと思ってたし」
「ですよね…この歳になって経験ないとか普通思わないよね…」
「じゃなくて。……男には不自由してないだろって、勝手なイメージだった。ごめん」
素直に謝ってくる須田を見て、凛の口からも自然に言葉が出た。
「…私もごめん。須田くんはもっと性格も歪んでて意地悪だとばっかり…」
「なにそのイメージ」
「え」
「ロクに話した事もないのに、勝手なイメージ持つなよ。失礼な奴だな」
「なっ…、それ、こっちのセリフだから!」
凛は思わず大きな声になる。
それを見て、須田はまた、ケラケラと笑った。
新発見だと、凛は思った。
いけ好かないはずの須田はよく笑うことも、いたずらな笑顔が、ちょっとだけ可愛いということも。
須田は低く冷静な声で、「別に嫌じゃないと思うけど」と、ぶっきらぼうに言った。
「えっと…さっき、キスした事ないって言ったけど…実はエッチもした事ないの…」
「…そうだろうね」
「本当のことを言うとね…手も繋いだこともなくって」
「マジか」
そこで、須田は驚きの声をあげた。
_____やっぱり引くよね…。
凛は落胆した。すると須田は、凛の予想を裏切る言葉を返した。
「…わりぃ」
「え?」
「初めてだって知らなかったから、手繋いじゃったじゃん。言えよ先に」
「え…、だって!」
「言わないから…つーか、経験あるかと思ってたし」
「ですよね…この歳になって経験ないとか普通思わないよね…」
「じゃなくて。……男には不自由してないだろって、勝手なイメージだった。ごめん」
素直に謝ってくる須田を見て、凛の口からも自然に言葉が出た。
「…私もごめん。須田くんはもっと性格も歪んでて意地悪だとばっかり…」
「なにそのイメージ」
「え」
「ロクに話した事もないのに、勝手なイメージ持つなよ。失礼な奴だな」
「なっ…、それ、こっちのセリフだから!」
凛は思わず大きな声になる。
それを見て、須田はまた、ケラケラと笑った。
新発見だと、凛は思った。
いけ好かないはずの須田はよく笑うことも、いたずらな笑顔が、ちょっとだけ可愛いということも。