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初花凛々
第26章 郷愁の想い
それから二人は、SEXの練習にかける時間は以前の倍を要するようになった。


それはずっとお預けさせられていた口付けが解禁されたから。


例えば服を脱がなくとも、唇を重ねることのみで夜が明けることだってあった。


それほどまでに、凛にとっては麻耶との口付けの時間は甘美だったのだ。


もう凛は、麻耶にSEXのおねだりをすることをやめようと決めた。


旅行中に何度か懇願したが、その度に麻耶は困ったような表情を浮かべていたから____


それに、そもそも麻耶は凛とわざわざしなくとも不自由していないということも凛は思い出した。


椿や如月。それに以前コンビニで遭遇した名も知らない女性、そして広報部のあの子がいるし。


麻耶をただ困らせるだけの存在にはなりたくないと凛は思い始めていた。





____週間行動予定表____


11月5日(金)出張先△◯グループ仙台支社


須田麻耶


旅行から一週間後のこと、既に凛の会社は年末に向け大仕事の準備が始まる。
営業部は日本全国を飛び回り、自社ブランドの洗剤をアピールして回る。
そして凛の人事部では、年末調整やら、人員を配置などで忙しくなる。


凛は忙しさが本腰に入る前に、実家のある宮城へ土産を渡しに行こうと有休をとっていた。


それが偶然にも、麻耶の出張と被ったというわけだ。


「どうせなら一緒に行きたい」


と、行きの新幹線の時間を凛は麻耶に合わせた。麻耶は始発の新幹線で、プライベートの予定で出向く凛は別に始発にしなくても良いのだけれど。


凛は少しだけ緊張していた。


実家の父に、会いに行くことに。


「実は勤めてから一度も帰っていないの」

「そうなの?」

「うん、なんとなくね……」


時折母親からは、正月や盆くらい顔を出せと凛に連絡がきていた。けれども凛は、父親の眉間に皺を寄せた顔が浮かび重い腰がなかなかあがらずにいた。


「でも、いい機会かと思って」

「きっとご両親喜ぶよ」


だから、麻耶と一緒だったら。張り詰めていた緊張も、父に対する不安も。和らげてくれるのではないか、と凛は思っていた。


あんなに怖かった飛行機だって、居眠りするくらいだから____


と、凛は思った。
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