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初花凛々
第30章 愛の戯れ






「あ……!」

「痛い……?」


待ち焦がれていた。ずっと求めていたものが今、凛の体内へ向けて、そろそろと。


凛の蜜部は今日も滴るほど湿っているが、今まで侵入を許したことのないほどの太さのそれに、凛の穴はメリメリと悲鳴をあげるようだった。


「……っ」


痛いはずだ。男のそれは、普段いくら指でかき混ぜようとも、その何倍もの太さと硬さを兼ね備えている。


意図せずに、凛の眉間には皺がよる。


麻耶はそれを確認しながら、凛に口付けをした。


麻耶の舌を味わうと、一瞬だけ身体の力が抜ける。


その瞬間に少しずつ、麻耶は推し進めてゆく。


まるで壁のように、凛のそこはぎゅうぎゅうで。


ゆっくりと侵入する麻耶のことを、強く締め上げる。


「凛……痛いよね、ごめん」

「ううん」


痛いけど、平気_____


だって凛はずっとこうして欲しかったのだから。


痛くても何でも、麻耶とひとつになる喜びには勝てやしない。


凛は自ら、上に覆いかぶさる麻耶の頬に手を添え、グッと引き寄せた。


そして熱く、濃く。舌を絡めた。


_____あ!!


その瞬間、凛は心の中で叫んだ。


麻耶のものが根元まで、凛の中に差し込まれたのだ。


「入った……?」

「うん」


凛は痛いというよりも、焼かれるような熱さを感じた。


そこから愛の炎が燃え上がっているのかと思うくらい、熱かった。


「……凛」


麻耶は凛の頬に手をやった。


凛の目尻からはつーっと涙が溢れ、それを拭うと、今度は反対の瞳から涙が溢れた。


「痛いでしょ」

「ううん、違うの」


凛は痛くて泣いているのではない。麻耶は凛の心の中を、この時読めなかった。


「麻耶とひとつになれて、嬉しい……」


麻耶にとっては予想外の言葉だった。


痛くて泣く女性は見た事があった。


けれども、こんな理由で泣く人に、麻耶は初めて出会った。





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