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初花凛々
第30章 愛の戯れ
凛は下から麻耶を見上げ、股に熱さを感じ、ひとつになったということをひしひしと感じていた。


呆然と見つめられて麻耶は、その視線から逃れるように、凛の耳元に唇を寄せた。


「……俺も、好き」


麻耶はそう囁いた。


もしかして感情が昂ぶっているだけかもしれない、と、凛は浮き足立ちそうな自らを制止する。


「凛のことが……好き」


浮かれるなと言われても、もう無理だと凛は思った。


この場限りだけでもいい。


明日、間違いでしたと言われても。


幸せでどうしようもない今を、凛は噛み締めた。


「麻耶っ……好き、好きなの……!」

「うん、俺も」

「好き……」


伝えたくて、でも言葉ばかり並べていると陳腐に聞こえてきて、麻耶も凛も、しばらくすると何も口にしなくなった。


その代わり、ただひたすらに口付けを交わした。


















「……動いてみて、麻耶……」


凛は、気を遣って動かない麻耶を促した。


「たぶん動けばもっと痛いよ」

「そうだと思うけど、麻耶だから、いいの」


その台詞は男心を容赦なく擽る。麻耶は凛を抱きしめる腕に、力を込めた。


そしていつもみたいに、一度額に口付けをして。


ゆっくりと、腰を動かした。


「……痛い?凛……」

「ん……、大丈夫……」


忠告通りやはり痛い。けれどその痛みの影に、麻耶としたSEXの練習の効果が現れていた。


奥はともかく、入り口の方がじんわりと心地よい感覚がする。


「ねぇ、麻耶……」

「ん?」

「大変」

「え、なに?」

「処女のくせに……、初めてのくせに、ちょっと気持ちいい」

「おお、マジ」


麻耶は凛の告白に嬉しそうにして、そして凛の唇にかぶりつく。


口付けとか、そんなものよりもっと激しくて濃厚な。


唇と唇のSEXだ、と凛は思った。


麻耶から与えられる、少しの痛みに混じった快感。


凛は心で、身体で、麻耶を感じた。






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