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初花凛々
第32章 例えるならば薔薇
翌日、いよいよ仕事始め。
凛は久しぶりにスーツを着て出社した。
その日凛の会社では、その年の商売繁盛を願い、社員皆に酒が振舞われる。本来の仕事は、実質明日からということになる。
最上階にある会議室の仕切りを取っ払い、フロアを開放する。
全員スーツを着て、酒を飲むという。そんな行事も凛は勤めてから7回目となる。それには社員全員参加が決まりだ。
「胡桃沢さんのスーツ姿、一年ぶりに見た」
フロアの端っこで、その存在をひそめるようにひっそりと乾杯に振舞われたシードルを飲んでた凛に、広報部の優が話しかけてきた。
「着なれないから、なんだか照れくさい」
「似合ってるよ」
「ありがとう」
凛は色気も何もない紺色のスーツに、揃いのタイトスカートを合わせた。けれど中にはアクセントとして、淡い桃色のシャツを着込んで。
「それに今日の髪型。いつもと雰囲気違うけど、素敵だよ」
「なんだか照れちゃう」
先日やってもらったポニーテールがとても気に入った凛は、麻耶に髪のアレンジを教えてもらった。
いつもはストレートな黒髪をただ下ろすか、それか後ろでキュッと結ぶか。クリップで留めるだけだったが、今日は違う。
昨日麻耶と雪と桜の話をしたから、今日凛は桜の花を模ったピンで、斜めに流した前髪を留めた。
黒髪の毛先はゆるく巻いて、遊ばせるように散らした。
それだけで印象はグッと華やかになった気がする。
「くるちゃん先輩!なんだか、肌がツヤツヤですね!」
そばに来た新山に言われた。
「そうかな?いっぱい寝たからかな?」
この休暇中、凛は麻耶に抱きしめられて、グッスリと良質な眠りを手にしていた。
それに____
「可愛い」
と、麻耶に囁かれるたびに、凛は催眠術にでもかけられている気分になった。
麻耶と身体を重ねると、極上のエキスを味わっている気もするし。
それにより凛は、女としての花を見事に開花させてゆく。
凛は久しぶりにスーツを着て出社した。
その日凛の会社では、その年の商売繁盛を願い、社員皆に酒が振舞われる。本来の仕事は、実質明日からということになる。
最上階にある会議室の仕切りを取っ払い、フロアを開放する。
全員スーツを着て、酒を飲むという。そんな行事も凛は勤めてから7回目となる。それには社員全員参加が決まりだ。
「胡桃沢さんのスーツ姿、一年ぶりに見た」
フロアの端っこで、その存在をひそめるようにひっそりと乾杯に振舞われたシードルを飲んでた凛に、広報部の優が話しかけてきた。
「着なれないから、なんだか照れくさい」
「似合ってるよ」
「ありがとう」
凛は色気も何もない紺色のスーツに、揃いのタイトスカートを合わせた。けれど中にはアクセントとして、淡い桃色のシャツを着込んで。
「それに今日の髪型。いつもと雰囲気違うけど、素敵だよ」
「なんだか照れちゃう」
先日やってもらったポニーテールがとても気に入った凛は、麻耶に髪のアレンジを教えてもらった。
いつもはストレートな黒髪をただ下ろすか、それか後ろでキュッと結ぶか。クリップで留めるだけだったが、今日は違う。
昨日麻耶と雪と桜の話をしたから、今日凛は桜の花を模ったピンで、斜めに流した前髪を留めた。
黒髪の毛先はゆるく巻いて、遊ばせるように散らした。
それだけで印象はグッと華やかになった気がする。
「くるちゃん先輩!なんだか、肌がツヤツヤですね!」
そばに来た新山に言われた。
「そうかな?いっぱい寝たからかな?」
この休暇中、凛は麻耶に抱きしめられて、グッスリと良質な眠りを手にしていた。
それに____
「可愛い」
と、麻耶に囁かれるたびに、凛は催眠術にでもかけられている気分になった。
麻耶と身体を重ねると、極上のエキスを味わっている気もするし。
それにより凛は、女としての花を見事に開花させてゆく。