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初花凛々
第32章 例えるならば薔薇
「こんなんなってる須田、初めて見た」


西嶋も、野村も小松も。そんな麻耶を見て、感心したように驚いていた。



「感心してないで、どうにかしてください」

「俺らには無理っす」


三人はそう言って、笑いながら凛と麻耶をタクシーに押し込めた。


タクシーの中で、麻耶は眠ってしまった。






「麻耶、着いたよ」

「うん」


部屋へ連れて行くのは一苦労だろうなと凛は危惧していたが、麻耶は到着するとスタスタと歩き部屋へ向かった。


「何してんの。凛も早く降りて」

「え、あ、うん」


麻耶はさっさと支払いを済ませ、一緒に降りるのが当然という態度で凛を促してきた。


「……さくらの言うこと、間に受けんなよ」


部屋に入った瞬間に、そう言われた。


さくら、と名前で呼んだことに、凛は少しばかりギュッと胸が痛んだ。そうかこれが嫉妬か、とも思いながら。


「だ、大丈夫!怖いくらいなんとも思ってないから!」


凛は急いで、大丈夫だと念を押すように喋った。


「……こんな俺が信じてって言っても、信じられないと思うけど」


やはり麻耶は酔っているのかも、と凛は思った。


いつもよりも、気持ちを話してくれている気がするから。


「信じて、俺のこと」


凛は目頭が熱くなった気がした。











「んん、麻耶……」

「エッチしたい」


麻耶はダイレクトに気持ちを伝えてくる。


そして、再び噛み付くような口付けの雨を降らす。


「あっ……」



凛は壁に手をつかされて、腰を突き出した。


タイトスカートは捲られ、ショーツは膝まで下げられただけの状態で。


けれど凛のそこはもう準備万端だった。


服を着たままのSEX。凛の桃色のシャツはボタンが外され、ずらされた下着からは木苺が今日も覗いていた。




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