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初花凛々
第34章 時雨心地
_____見るつもりじゃなかったのに。
それは意図せずに飛び込んできたけれど、人様のプライベートを覗いてしまったという罪悪感に苛まれた。
「麻耶!」
「おお、ビビるんですけど」
凛は風呂から出てきた麻耶をとっ捕まえた。
「ごめん!」
「え?」
「見てしまった!!」
「なにを?」
また、唐突に何を言い出すのかと。麻耶は半笑しながら濡れた髪をガシガシとタオルで拭いた。
「えっと、麻耶の携帯電話……」
「あぁ。誰かから連絡きてた?」
「そこはご自分で確認なされた方が……」
「取って」
「か、かしこまりました」
麻耶に電話を手渡し、凛はその様子をジッと見た。
「わたあめじゃん」
「そ、そうね!」
「気になっちゃった?」
「ええ、思い切り」
凛は正直に、胸の内を吐露する。
______どこまで知ってるんですか?
明らかに焦っていた新山のあの態度。
まるで追い討ちをかけるように、新山からの着信。
「……不安?」
麻耶が凛に問いかける。
そして凛は少し、考えて。それから、麻耶と視線を合わせた。
「……ううん。不安とかではない」
そう、凛は不安とか、そういう類のものではないと麻耶に伝える。
「なんだろう。私の知らない麻耶のことを、新山さんは知ってるんだなぁーみたいな。なんていうか、その」
凛は麻耶に出会い、初めての経験を積んで行く。今のは、嫉妬とはまた違った"独占欲"という感情なのだけれど。
「……私ももっと早く出会いたかったなぁ」
言い終わるか否や、麻耶は笑い出した。
「やっぱなんか良いよね、凛って」
「え、どこが」
「まぁ、色々だよ」
「またそうやってはぐらかして_____ 」
言いかけている凛の唇を麻耶の唇が塞ぐ。
凛はその、蕩けるような甘さと温度に包まれてゆく。
「……毎日で悪いんだけど、しよ」
そんなことを言ってくる麻耶に、凛は堪らずに笑みを零してしまった。
それは意図せずに飛び込んできたけれど、人様のプライベートを覗いてしまったという罪悪感に苛まれた。
「麻耶!」
「おお、ビビるんですけど」
凛は風呂から出てきた麻耶をとっ捕まえた。
「ごめん!」
「え?」
「見てしまった!!」
「なにを?」
また、唐突に何を言い出すのかと。麻耶は半笑しながら濡れた髪をガシガシとタオルで拭いた。
「えっと、麻耶の携帯電話……」
「あぁ。誰かから連絡きてた?」
「そこはご自分で確認なされた方が……」
「取って」
「か、かしこまりました」
麻耶に電話を手渡し、凛はその様子をジッと見た。
「わたあめじゃん」
「そ、そうね!」
「気になっちゃった?」
「ええ、思い切り」
凛は正直に、胸の内を吐露する。
______どこまで知ってるんですか?
明らかに焦っていた新山のあの態度。
まるで追い討ちをかけるように、新山からの着信。
「……不安?」
麻耶が凛に問いかける。
そして凛は少し、考えて。それから、麻耶と視線を合わせた。
「……ううん。不安とかではない」
そう、凛は不安とか、そういう類のものではないと麻耶に伝える。
「なんだろう。私の知らない麻耶のことを、新山さんは知ってるんだなぁーみたいな。なんていうか、その」
凛は麻耶に出会い、初めての経験を積んで行く。今のは、嫉妬とはまた違った"独占欲"という感情なのだけれど。
「……私ももっと早く出会いたかったなぁ」
言い終わるか否や、麻耶は笑い出した。
「やっぱなんか良いよね、凛って」
「え、どこが」
「まぁ、色々だよ」
「またそうやってはぐらかして_____ 」
言いかけている凛の唇を麻耶の唇が塞ぐ。
凛はその、蕩けるような甘さと温度に包まれてゆく。
「……毎日で悪いんだけど、しよ」
そんなことを言ってくる麻耶に、凛は堪らずに笑みを零してしまった。