この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
初花凛々
第34章 時雨心地
_____見るつもりじゃなかったのに。



それは意図せずに飛び込んできたけれど、人様のプライベートを覗いてしまったという罪悪感に苛まれた。


「麻耶!」

「おお、ビビるんですけど」


凛は風呂から出てきた麻耶をとっ捕まえた。


「ごめん!」

「え?」

「見てしまった!!」

「なにを?」


また、唐突に何を言い出すのかと。麻耶は半笑しながら濡れた髪をガシガシとタオルで拭いた。


「えっと、麻耶の携帯電話……」

「あぁ。誰かから連絡きてた?」

「そこはご自分で確認なされた方が……」

「取って」

「か、かしこまりました」


麻耶に電話を手渡し、凛はその様子をジッと見た。


「わたあめじゃん」

「そ、そうね!」

「気になっちゃった?」

「ええ、思い切り」


凛は正直に、胸の内を吐露する。


______どこまで知ってるんですか?


明らかに焦っていた新山のあの態度。


まるで追い討ちをかけるように、新山からの着信。


「……不安?」


麻耶が凛に問いかける。


そして凛は少し、考えて。それから、麻耶と視線を合わせた。





「……ううん。不安とかではない」


そう、凛は不安とか、そういう類のものではないと麻耶に伝える。


「なんだろう。私の知らない麻耶のことを、新山さんは知ってるんだなぁーみたいな。なんていうか、その」


凛は麻耶に出会い、初めての経験を積んで行く。今のは、嫉妬とはまた違った"独占欲"という感情なのだけれど。


「……私ももっと早く出会いたかったなぁ」


言い終わるか否や、麻耶は笑い出した。


「やっぱなんか良いよね、凛って」

「え、どこが」

「まぁ、色々だよ」

「またそうやってはぐらかして_____ 」


言いかけている凛の唇を麻耶の唇が塞ぐ。


凛はその、蕩けるような甘さと温度に包まれてゆく。


「……毎日で悪いんだけど、しよ」


そんなことを言ってくる麻耶に、凛は堪らずに笑みを零してしまった。


/452ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ