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初花凛々
第35章 月の色人

「ひっく……ひっ!苦しい……」
泣きすぎて、しゃっくりまで出てくる始末。
こんなに泣いたのは久しぶりというくらい、凛は泣いてしまった。
それは無意識のうちに肩に力が入っていたのも作用してのことだと、麻耶は思っていた。
全てが初めての凛にとって、この環境の変化は少なからず負担になっていたに違いない。
そう思っていたから、こうして涙を流すことで、少しでも気が楽になればいいと思った。
「なんつーか、麻耶とこんな風になって、大変なこともあるかもだけどさ」
泣きじゃくる凛をフォローするかのように、瀬名が口を開く。
すると凛は、ぶんぶんと顔を横に振った。
「……幸せなことしかないです。麻耶といて、私はすごく幸せです」
_____胡桃沢さんって、打たれ強そう
そう、以前小松が言っていたように、意外と凛は打たれ強いのかもしれない。
陰口を叩かれることは嫌だけれど、スルースキルはそれなりに身についているし。
それに、凛は知っている。
陰口を叩かれるよりも、何よりも。
麻耶が側にいないことの方が、よっぽど辛いのだ、ということを。
「凛」
麻耶は、しゃっくりの止まらない凛を後ろから抱きしめる。
ここには新山も瀬名もいるけれど、そんなこと気にもしない素振りで、ぎゅっと強く。
「……初めて凛のこと見たとき、綺麗だなーって思ったんだけど、ただそう思っただけで。特別な感情なんかなかったんだよね」
いきなり何を言い出すのかと。凛は驚きつつも、麻耶の言葉を黙って聞いた。
二人は別に、運命的な、ドラマチックな出会いではなかった。
ただ偶然同じ会社で、同じフロアで、同じ時期に入社しただけで。
「……でもいつのまにか、凛じゃなきゃダメだって思う所がすげーいっぱいになっちゃって。これが特別ってやつなのかって、思った」
凛を抱きしめる麻耶の腕は、いつもよりも少し、強くて。
とても優しい温度を伝えてくれていた。
泣きすぎて、しゃっくりまで出てくる始末。
こんなに泣いたのは久しぶりというくらい、凛は泣いてしまった。
それは無意識のうちに肩に力が入っていたのも作用してのことだと、麻耶は思っていた。
全てが初めての凛にとって、この環境の変化は少なからず負担になっていたに違いない。
そう思っていたから、こうして涙を流すことで、少しでも気が楽になればいいと思った。
「なんつーか、麻耶とこんな風になって、大変なこともあるかもだけどさ」
泣きじゃくる凛をフォローするかのように、瀬名が口を開く。
すると凛は、ぶんぶんと顔を横に振った。
「……幸せなことしかないです。麻耶といて、私はすごく幸せです」
_____胡桃沢さんって、打たれ強そう
そう、以前小松が言っていたように、意外と凛は打たれ強いのかもしれない。
陰口を叩かれることは嫌だけれど、スルースキルはそれなりに身についているし。
それに、凛は知っている。
陰口を叩かれるよりも、何よりも。
麻耶が側にいないことの方が、よっぽど辛いのだ、ということを。
「凛」
麻耶は、しゃっくりの止まらない凛を後ろから抱きしめる。
ここには新山も瀬名もいるけれど、そんなこと気にもしない素振りで、ぎゅっと強く。
「……初めて凛のこと見たとき、綺麗だなーって思ったんだけど、ただそう思っただけで。特別な感情なんかなかったんだよね」
いきなり何を言い出すのかと。凛は驚きつつも、麻耶の言葉を黙って聞いた。
二人は別に、運命的な、ドラマチックな出会いではなかった。
ただ偶然同じ会社で、同じフロアで、同じ時期に入社しただけで。
「……でもいつのまにか、凛じゃなきゃダメだって思う所がすげーいっぱいになっちゃって。これが特別ってやつなのかって、思った」
凛を抱きしめる麻耶の腕は、いつもよりも少し、強くて。
とても優しい温度を伝えてくれていた。

