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初花凛々
第43章 紅差し指
明けて、月曜日。
いつもなら足取りが重いはずの月曜日だけれど、凛はスキップでもしてしまいそうなくらい足取りが軽い。
今日も夜は麻耶と過ごすとほぼ決まっているけれど、それでも社内にいると凛は麻耶の姿を探してしまうのはもう癖だ。
_____これから、よろしくお願いします
幸せな記憶を何度も反芻させては、凛は叫びだしそうなくらい、いや、倒れそうなくらい胸がぎゅうっと幸せに痛い。
「ふにゃんふにゃんだね、今日」
お昼休み、今日の夕飯は何にしようかと思いデスクでポーッとしていたら、声をかけられた。
その声に振り向いた凛は、そこに立っていたのが麻耶じゃなくて少々肩を落とした。
「なぁんだ小松かよ〜みたいな顔してる」
「そんなことないですよ。最近登場率高いなぁとは思いますけど」
「なんか今日、須田もふにゃんふにゃんしてんだよね」
「えっ嘘!見たい!」
「よし」
小松に連れ出されて、向かったのは社内にあるカフェテリア。麻耶はそこにいるのだと言う。
凛の勤める会社が入っているビルのエントランスの入り口には、全国的に展開してるコーヒーチェーン店がある。
勤めている人はもちろん、一般にも開放している為いつもそこは人でごった返している。今日もその通り。
店内には店員さんの明るい声が響き、コーヒーの豆のいい香りが充満していた。
混み合っている店内で、麻耶のふにゃんふにゃん姿を期待して凛は辺りをぐるりと見渡す。
_____と。
「胡桃沢さん!」
小松並みに神出鬼没な彼が、そこにいた。
「おぉ、浮気浮気」
「ばっ!変なこと言わないでくださいよ!!」
凛はギロリと小松を睨んだ。
「え、浮気!?」
「あなたが口を挟むとややこしくなる」
「胡桃沢さんは何飲むんですか?俺?俺はフラペチーノですね、いつも!」
「……そうなんだ」
凛はやはり、忙しさに関係なく彼には塩対応をしてしまう。
その男の名はわからないが、チョロチョロと走り回る子犬のようだと凛は思った。
「桜庭は胡桃沢さんとどういう関係なの?」
ここで凛は、正体不明な彼の苗字を初めて知った。
が、苗字を聞いてもやはりほんのちょっとも思い当たる節がない。
いつもなら足取りが重いはずの月曜日だけれど、凛はスキップでもしてしまいそうなくらい足取りが軽い。
今日も夜は麻耶と過ごすとほぼ決まっているけれど、それでも社内にいると凛は麻耶の姿を探してしまうのはもう癖だ。
_____これから、よろしくお願いします
幸せな記憶を何度も反芻させては、凛は叫びだしそうなくらい、いや、倒れそうなくらい胸がぎゅうっと幸せに痛い。
「ふにゃんふにゃんだね、今日」
お昼休み、今日の夕飯は何にしようかと思いデスクでポーッとしていたら、声をかけられた。
その声に振り向いた凛は、そこに立っていたのが麻耶じゃなくて少々肩を落とした。
「なぁんだ小松かよ〜みたいな顔してる」
「そんなことないですよ。最近登場率高いなぁとは思いますけど」
「なんか今日、須田もふにゃんふにゃんしてんだよね」
「えっ嘘!見たい!」
「よし」
小松に連れ出されて、向かったのは社内にあるカフェテリア。麻耶はそこにいるのだと言う。
凛の勤める会社が入っているビルのエントランスの入り口には、全国的に展開してるコーヒーチェーン店がある。
勤めている人はもちろん、一般にも開放している為いつもそこは人でごった返している。今日もその通り。
店内には店員さんの明るい声が響き、コーヒーの豆のいい香りが充満していた。
混み合っている店内で、麻耶のふにゃんふにゃん姿を期待して凛は辺りをぐるりと見渡す。
_____と。
「胡桃沢さん!」
小松並みに神出鬼没な彼が、そこにいた。
「おぉ、浮気浮気」
「ばっ!変なこと言わないでくださいよ!!」
凛はギロリと小松を睨んだ。
「え、浮気!?」
「あなたが口を挟むとややこしくなる」
「胡桃沢さんは何飲むんですか?俺?俺はフラペチーノですね、いつも!」
「……そうなんだ」
凛はやはり、忙しさに関係なく彼には塩対応をしてしまう。
その男の名はわからないが、チョロチョロと走り回る子犬のようだと凛は思った。
「桜庭は胡桃沢さんとどういう関係なの?」
ここで凛は、正体不明な彼の苗字を初めて知った。
が、苗字を聞いてもやはりほんのちょっとも思い当たる節がない。