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初花凛々
第43章 紅差し指
「一目惚れってやつです!」
桜庭は、手にしていたフラペチーノが潰れてしまうのではないかと思うくらい、力を入れそう大声で言った。
「そうっすね。初めて会ったのは公園です」
_____あ。
凛は思い出の引き出しがそっと開けられた気がした。
_____これ、落ちましたよ
「あなただったの!?」
「そうですよぉ」
「随分雰囲気が違う気がする」
「さてどっちが本物の俺でしょう!」
クイズ形式になったところで、小松が「須田」と言った。
「意味わかるように説明して」
ふにゃんふにゃんどころではない、ぴりぴりの麻耶がそこにいる。
凛は目の前に座る麻耶と桜庭のやり取りを傍観していた。小松は凛の分まで注文してくれたのだが、凛には桜庭お勧めのメロンフラペチーノを買ってきた。
完全に面白がっている。
なんという巡り合わせか、麻耶は営業部に配属された桜庭の教育係として任命されたばかりだった。
「だって、まさか須田さんの恋人だとは知らなくて」
一瞬モーションかけちゃいましたよ、と桜庭は呟いた。
「……凛は恋人じゃねーし」
「えっ!」
「こ、婚約者だし」
とてもとても良い場面で麻耶は思わず噛んでしまい、小松はブブーッと噴き出して笑った。
「婚約ってマジかよ」
「……マジ」
「へえ」
突然のことに小松も驚いていたが、今朝からの麻耶と凛のふにゃんふにゃんの原因はそれか、と納得していた。
「というわけだから」
「……これって俺を牽制するための嘘とかじゃないですよね?」
桜庭はフラペチーノをひとくち飲んでから、麻耶に問う。
メロンの熟した甘い香りが鼻を擽る。
「嘘じゃない」
麻耶は言い切って、凛を見て、目が合った。
「……うん、嘘じゃないよ。私は先日、麻耶からプロポーズを……」
_____俺の最後の女になって
何度思い出しても、その言葉は凛の頬を染めるようだった。
「……本当なんですね」
桜庭はそう呟くと、続けて祝福の言葉を口にした。
桜庭は、手にしていたフラペチーノが潰れてしまうのではないかと思うくらい、力を入れそう大声で言った。
「そうっすね。初めて会ったのは公園です」
_____あ。
凛は思い出の引き出しがそっと開けられた気がした。
_____これ、落ちましたよ
「あなただったの!?」
「そうですよぉ」
「随分雰囲気が違う気がする」
「さてどっちが本物の俺でしょう!」
クイズ形式になったところで、小松が「須田」と言った。
「意味わかるように説明して」
ふにゃんふにゃんどころではない、ぴりぴりの麻耶がそこにいる。
凛は目の前に座る麻耶と桜庭のやり取りを傍観していた。小松は凛の分まで注文してくれたのだが、凛には桜庭お勧めのメロンフラペチーノを買ってきた。
完全に面白がっている。
なんという巡り合わせか、麻耶は営業部に配属された桜庭の教育係として任命されたばかりだった。
「だって、まさか須田さんの恋人だとは知らなくて」
一瞬モーションかけちゃいましたよ、と桜庭は呟いた。
「……凛は恋人じゃねーし」
「えっ!」
「こ、婚約者だし」
とてもとても良い場面で麻耶は思わず噛んでしまい、小松はブブーッと噴き出して笑った。
「婚約ってマジかよ」
「……マジ」
「へえ」
突然のことに小松も驚いていたが、今朝からの麻耶と凛のふにゃんふにゃんの原因はそれか、と納得していた。
「というわけだから」
「……これって俺を牽制するための嘘とかじゃないですよね?」
桜庭はフラペチーノをひとくち飲んでから、麻耶に問う。
メロンの熟した甘い香りが鼻を擽る。
「嘘じゃない」
麻耶は言い切って、凛を見て、目が合った。
「……うん、嘘じゃないよ。私は先日、麻耶からプロポーズを……」
_____俺の最後の女になって
何度思い出しても、その言葉は凛の頬を染めるようだった。
「……本当なんですね」
桜庭はそう呟くと、続けて祝福の言葉を口にした。