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初花凛々
第45章 君影草〜鈴蘭

夕飯は部屋食だった。
食前酒から始まり、新鮮な海の幸を盛り付けたお造りや海鮮丼。どれもこれも色鮮やかだった。
また、美味しいねーと呪文を唱え続ける凛に笑う麻耶は、笑いすぎて頬が筋肉痛になりそうだと言った。
「寒っ」
「寒い」
夕飯を済ませた2人は、函館山へ向かう。
旅館のロビーを抜け外へ出ると、頬を撫でる冷たい夜風に2人同時に同じ言葉を口にして、また笑う。
既に到着しているバスに乗り込み、席に着く。
「湯冷めして風邪ひくなよ」
「麻耶もね」
「帰ったら一緒にあったまるか」
麻耶は口の端をあげ、悪戯に微笑む。
そう、旅館の部屋には、それぞれ客室露天風呂があるのだ。
「い、一緒に」
「そう、一緒に」
恥ずかしい、と言う凛だけれど、もう一緒に入ることはほぼ決定なのだろう。絶対だからという強い要望を込めて、麻耶はもう一度「一緒に」と言った。
そうしているうちに、ライトアップされた建物が視界に入る。クリーム色の壁と十字架がぼんやりと柔く暗闇に浮かんでいる。
趣のあるそれは、教会だった。
これもまた凛はリサーチ済み。明日のプランに教会巡りも練りこまれている。
目的地に着き、バスを降りるとロープウェイ乗り場が目の前にあった。
それに乗り込むと、見た目よりも中は割りかし広く、座席のないバスみたいだと凛は思った。
「大丈夫?」
「なんとか」
満員電車ほどに人が多く、ロープウェイの窓からは外を見ることが出来なかった。けれどこの混雑のお陰で、凛は麻耶の胸に収められて逆においしい、とコッソリと幸せに浸った。
見上げると、麻耶もまた同じように凛を見ていて。
こんなに人がいるのに。
2人は磁石のS極とN極のように唇を重ねた。
食前酒から始まり、新鮮な海の幸を盛り付けたお造りや海鮮丼。どれもこれも色鮮やかだった。
また、美味しいねーと呪文を唱え続ける凛に笑う麻耶は、笑いすぎて頬が筋肉痛になりそうだと言った。
「寒っ」
「寒い」
夕飯を済ませた2人は、函館山へ向かう。
旅館のロビーを抜け外へ出ると、頬を撫でる冷たい夜風に2人同時に同じ言葉を口にして、また笑う。
既に到着しているバスに乗り込み、席に着く。
「湯冷めして風邪ひくなよ」
「麻耶もね」
「帰ったら一緒にあったまるか」
麻耶は口の端をあげ、悪戯に微笑む。
そう、旅館の部屋には、それぞれ客室露天風呂があるのだ。
「い、一緒に」
「そう、一緒に」
恥ずかしい、と言う凛だけれど、もう一緒に入ることはほぼ決定なのだろう。絶対だからという強い要望を込めて、麻耶はもう一度「一緒に」と言った。
そうしているうちに、ライトアップされた建物が視界に入る。クリーム色の壁と十字架がぼんやりと柔く暗闇に浮かんでいる。
趣のあるそれは、教会だった。
これもまた凛はリサーチ済み。明日のプランに教会巡りも練りこまれている。
目的地に着き、バスを降りるとロープウェイ乗り場が目の前にあった。
それに乗り込むと、見た目よりも中は割りかし広く、座席のないバスみたいだと凛は思った。
「大丈夫?」
「なんとか」
満員電車ほどに人が多く、ロープウェイの窓からは外を見ることが出来なかった。けれどこの混雑のお陰で、凛は麻耶の胸に収められて逆においしい、とコッソリと幸せに浸った。
見上げると、麻耶もまた同じように凛を見ていて。
こんなに人がいるのに。
2人は磁石のS極とN極のように唇を重ねた。

