この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
初花凛々
第7章 風薫る
窓から差し込む月明かり。
少しつりあがった須田の目と、小動物のようにくるくるとした凛の目が合う。
凛の肩に乗せられた須田の手に、グッと力が込められる。
そのまま、須田は胸元に凛を抱き寄せた。
須田の胸にスッポリと収まった凛。
すると、須田はその手を
そっと、凛の耳に乗せた。
……とくん、とくん。
もう、凛の耳には、須田の胸の鼓動だけしか聞こえない。
衣が擦れる音も、粘膜から奏でられる水音も_____
凛の耳には、届かない。
凛は、そっと目を閉じた。
瞼の裏に浮かぶのは、夏風に揺られる木々の緑と、青い空。
以前、初めて須田と銭湯で会った時に香った男の香り。
フェロモン、と呼ばれるそれは
男の胸のみぞおち付近から香っているということ。
夏の夜の新発見だと、凛は思った。
少しつりあがった須田の目と、小動物のようにくるくるとした凛の目が合う。
凛の肩に乗せられた須田の手に、グッと力が込められる。
そのまま、須田は胸元に凛を抱き寄せた。
須田の胸にスッポリと収まった凛。
すると、須田はその手を
そっと、凛の耳に乗せた。
……とくん、とくん。
もう、凛の耳には、須田の胸の鼓動だけしか聞こえない。
衣が擦れる音も、粘膜から奏でられる水音も_____
凛の耳には、届かない。
凛は、そっと目を閉じた。
瞼の裏に浮かぶのは、夏風に揺られる木々の緑と、青い空。
以前、初めて須田と銭湯で会った時に香った男の香り。
フェロモン、と呼ばれるそれは
男の胸のみぞおち付近から香っているということ。
夏の夜の新発見だと、凛は思った。