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初花凛々
第7章 風薫る
月明かりに照らされたそれ。


凛のものよりも濃く茂った箇所のもっと奥は、テラテラと光っていた。



「……んっ、直樹…!」

「……声、我慢して」


椿の女の穴の中を、西嶋の細くて白い指がほじっていた。


その指には、椿の蜜がヌラヌラとまとわりついている。


「やっ、ふぁ……、気持ちいいよぉ」


声を抑えんばかりに、重ねられたのは二つの唇。


口付けによりくぐもったような声になるが、ぬちゃ、ぬちゃ、という音は絶えず聞こえる。


経験のない凛だが、二人が何をしているかぐらいはわかる。


互いの身体を求め、行き着く先はSEX。


男と女の愛の行為。


凛は衝撃のあまり、それ以上見ていられずに目を閉じた。


ピリッとプラスチックかなにかが破れる音がして、続いて、衣が擦れる音がした。


「あっ、あっ、あっ……」


床越しに伝わる振動。それに合わせ漏れる、色っぽい声。


肌と肌がぶつかる音や、粘膜が擦れる音もする。


目を瞑っているから、もうその姿は見えないのに。


その生々しい音から、西嶋と椿が重なり合う様が、まるで見えているかのように凛の瞼の裏に浮かんだ。



_____椿さんは、悠介くんの恋人じゃなかったの?



凛は頭がグルグルと回り、これが現実なのか、夢なのか。わからなくなっていた。


_____その時


眠っていたと思った須田の手が


凛の肩に、伸びてきた。
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