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妖精王は軍人に奪われる
第2章 冷たい瞳
ガラガラガラ…ガラガラ…






「…んん…」



馬車の揺れでアイリスは目を覚ました



(ここはーああ、私は人に捕まったのね…)



本来警戒すべき人に心を開き、
疑いなく飲み物に口を付けたことを
心の中で恥じる


動く気配を読み取ったのか、太った男が
声をかけてくる




「起きたな、妖精。ふふふ、少し幼いが
見目麗しい商品が手に入ったぞ」



抗議を唱えようと口を動かすも、猿ぐつわが
はめられていて呻く声しか出せない




「ふん、大衆の噂は信じてみるものだな
森に棲む妖精!普通の奴隷より高く
売れるのだろうな…」



(奴隷!なんてこと、奴隷商人に
捕まったの…?)



アイリスは目を伏せ、手足に填められた
枷を見る


(本当に…奴隷商人なのね 私は、これから
売られる…)



絶望しながらも、売られても逃げ出せば
いい…と考えたとき、奴隷商がその
考えを分かっていたかのように語り出す




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