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妖精王は軍人に奪われる
第2章 冷たい瞳
馬車に揺られ、アイリスは大きな屋敷に着いた
もちろん、枷がついたままなので
軍人ー白髪の男に抱えられたままではあるが
「あの…ここは……」
「私の屋敷だ お前の家にもなるやも
しれんがな」
(私の家…?私が戦利品だから…
この人の物、なのね)
門をくぐり、玄関の前に着くと、内側から
扉が開かれ出てきたのは老執事だった
「メア様、お帰りなさいませ
ーそちらは?」
ぱちりと老執事と視線が合い、慌てて
アイリスは顔を伏せた
「俺の戦利品だ…ファルコ、こいつを
風呂に案内しろ
…臭くてかなわん」
かぁ、と顔を赤らめアイリスは
恥ずかしさでいっぱいになった
「承知いたしましたメア様、それでは…
少々失礼を」
老執事が近づき枷を弄ると、かちゃりと
音を立てて外れ手足に自由が戻る