この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
妖精王は軍人に奪われる
第2章 冷たい瞳
コンコン
扉をノックする音でメアは思案するのをやめた
「…入れ」
「失礼致します」
入ってきたのはアイリスの案内を済ませた
ファルコだった
「似ておられますな…あの方に」
メアがそれまで思案していたことを
見透かしたような言葉だ
「……なんのことだ」
少し眉を寄せじろりと見やると、
ファルコは可笑しそうに笑う
「ほっほ、さて なんのことで
ございましょうかね」
「フッ、食えない奴だ」
「食べられては困りますので」
少し間をおいて、ファルコが口を開く
「アイリス様のお召し物は
どう致しましょう?」
「お前が好きに選ぶと良い
俺よりもなにが似合うかはよくわかるだろう」
メアは少し考え、すぐに答えた
「かしこまりました、それでは
失礼致します」
扉が開きファルコがその向こうに
消えるのを見やると、また
すぐに考えを張り巡らせるのだった…