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サイドストーリー5
第17章 横浜ホールディング②
思わず出た失礼な本音に、武田さんは嫌な顔もせずに
「いきなりなぁに?」
と笑った。

「いえ。失礼しました。大きなお世話でしたね」
「いいのよ。私にツカサはもったいないって言いたいんでしょう?」

逆だ。
彼女みたいな大人の女性に俺たちみたいなガキで満足できるのか。
そう聞きたかったのに。

「ツカサは私の知っているどの男性より私を分かってくれているわ」
「・・・・」
「私もツカサを誰よりも分かっているつもりよ」
「・・・・」

「あなたたちみたいに前途のある若者を私みたいなアラフォーが
縛りつけている、と思われても仕方ないけど・・・」

そんなことは思わなかった。

「私にはツカサしかいないのよ」

そう笑ってウインクした。

「ご馳走様」

そういって俺もウインクを返す。
今聞いた話は森川には教えてやらない。

俺は下を向いて小さく笑った。
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