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第5章 Piece of memory ー記憶の欠片ー

夏。
付き合いだして、１年半。

順一は就職活動に明け暮れて、最近は会えない日も多い。
就活は基本平日だけど、その皺寄せが週末に来てて、レポートだの、面接に臨むための準備だの、バイトだの。

でも、それに関しては、別に文句はない。

就職浪人される方が困るし、そこで寂しい！なんて我儘を通すつもりもなかった。

だけど。

生理が、来なくて。
誰にも相談できないまま、妊娠検査薬を使ってみたら、陽性反応が出て。なんで⁉︎ってパニクりかけたけど。ゴムをつけても避妊率って、100%じゃない、って初めて知った。
本当に妊娠したくないなら、ピルとか飲んどかなきゃだったんだ…

決心して、クリニックの予約を取ったら、8週目、2ヶ月。と言われて。

クリニックの先生には、悪阻の有無とか、色々聞かれた後。
淡々と、産むなら、産院への紹介状を書きます。産まないなら、中期になるとリスクが高くなるから、できるだけ早いうち、12週までにパートナーの同意書を持って来てね。と言われた。

おろすの…嫌だ….
順一の、赤ちゃんを産みたい。
…だけど、まだ学生の順一に、責任とってなんて、言えない…