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はじめの一歩
第1章 Butterfly
夜も商品の受け取りがあるから、新地には行かなかった。
仕事終わり、再び市川くんの店に行く。
「こんばんは。」
「あ、武井さん。いらっしゃいませ。ちょっと待ってくださいね。」
人懐こい笑顔で微笑み、
「こちらが本命のクッキーです。もうラッピングしてしまってるので、中身、写真だけ撮っておきました。」
と、一枚のポラロイドをくれる。
半月型をグイッと折り曲げたような、立体的な形で、注文通り生地の部分にココア生地で1、2、3の文字。
淵にもハートを繋げたような凝った模様が施されていてさすがプロの仕事だと思った。
「それから、こちらは会社用のギフトです。」
大きな紙袋が二つ。
やっぱり車で来て良かった。
明日は店に行きたいから電車で行くつもりだったが、この菓子を持って満員電車に乗るのは無理だな…会社に車を置いて帰るか…
と溜め息をつき、支払いを済ませる。
「あれ、このクッキーは幾ら?」
渡された明細の中にクッキーの代金が見当たらず、思わず尋ねる。
「あ、これはもう、サービスで。
いつもお世話になってる武井さんの為ですから。材料費もさほどかかってませんし。このギフトで十分利益頂いてますんで、お気になさらず。」
ニコリと微笑み、
「その代わり、成功したらウェディングケーキと引き菓子、お願いしますよ?」
「ありがとう、恩にきるよ。上手く行くように祈っといて」
そう言い残して店をでる。
勝負は、明日….
仕事終わり、再び市川くんの店に行く。
「こんばんは。」
「あ、武井さん。いらっしゃいませ。ちょっと待ってくださいね。」
人懐こい笑顔で微笑み、
「こちらが本命のクッキーです。もうラッピングしてしまってるので、中身、写真だけ撮っておきました。」
と、一枚のポラロイドをくれる。
半月型をグイッと折り曲げたような、立体的な形で、注文通り生地の部分にココア生地で1、2、3の文字。
淵にもハートを繋げたような凝った模様が施されていてさすがプロの仕事だと思った。
「それから、こちらは会社用のギフトです。」
大きな紙袋が二つ。
やっぱり車で来て良かった。
明日は店に行きたいから電車で行くつもりだったが、この菓子を持って満員電車に乗るのは無理だな…会社に車を置いて帰るか…
と溜め息をつき、支払いを済ませる。
「あれ、このクッキーは幾ら?」
渡された明細の中にクッキーの代金が見当たらず、思わず尋ねる。
「あ、これはもう、サービスで。
いつもお世話になってる武井さんの為ですから。材料費もさほどかかってませんし。このギフトで十分利益頂いてますんで、お気になさらず。」
ニコリと微笑み、
「その代わり、成功したらウェディングケーキと引き菓子、お願いしますよ?」
「ありがとう、恩にきるよ。上手く行くように祈っといて」
そう言い残して店をでる。
勝負は、明日….