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はじめの一歩
第1章 Butterfly
その後。
市川くんにプロポーズの成功を報告し、僕と由美子は結婚した。
もちろんウェディングケーキと引き菓子は彼の店で発注した。
灘にマンションを買い、翌年には男の子にも恵まれた。
由美子の母は身体は元気だったので、住み慣れた西宮に小さな家を買い、弟と二人で住まわせた。
そして、10年。
父が引退し、僕が会社を継ぐ。
程なくして阪神大震災が起こり、住んでいたマンションが倒壊したのを機に、僕たち一家は無事だった芦屋の実家で同居生活を始めた。
息子の祥悟は腕白で、よく池の鯉を虫取り網で掬っては父に大目玉を食らうような子だった。
震災の余波は由美子の弟にもきていた。
彼は大学で建築を専攻し、建築事務所に勤めていたが、震災で事務所が倒壊し、社長も亡くなった。
済し崩し的に独立する事になり、その資金も出資して事務所を開かせた。
市川くんにプロポーズの成功を報告し、僕と由美子は結婚した。
もちろんウェディングケーキと引き菓子は彼の店で発注した。
灘にマンションを買い、翌年には男の子にも恵まれた。
由美子の母は身体は元気だったので、住み慣れた西宮に小さな家を買い、弟と二人で住まわせた。
そして、10年。
父が引退し、僕が会社を継ぐ。
程なくして阪神大震災が起こり、住んでいたマンションが倒壊したのを機に、僕たち一家は無事だった芦屋の実家で同居生活を始めた。
息子の祥悟は腕白で、よく池の鯉を虫取り網で掬っては父に大目玉を食らうような子だった。
震災の余波は由美子の弟にもきていた。
彼は大学で建築を専攻し、建築事務所に勤めていたが、震災で事務所が倒壊し、社長も亡くなった。
済し崩し的に独立する事になり、その資金も出資して事務所を開かせた。