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第2章 トシシタのオトコのコ

入社した会社で、総務部に配属された。

指導係は宮本さんという男性で、今年係長になった、といっていた。

係長なのに新入社員の指導係を任されるのか、と思ったけど、他の先輩方はパッと見の印象であまり頼りにならなさそうだと思ってしまったから、この人が指導係でよかった、と思った。

宮本さんは、髪はオールバックに流してはいるけど、ぴっちり固めてはいないからソフトな印象で。知的な顔立ちに銀縁の眼鏡が良く似合う。
男の僕から見てもカッコいいなぁ、と思う上司だった。

僕、谷口洋平は新卒入社で22歳。だけど背も高くないし、顔も、目が丸くて童顔だから、フレッシュマン、というよりは現役学生にしか見られない。

スーツで歩いててもギリギリ 就活中の大学生、休みの日に私服で歩いてると、高校生に間違われることも少なくない。
スーツより学ランの方が似合う、と同期にもよくからかわれる。
これは大学の時からだけど…居酒屋で免許書を提示する癖がついたくらいだ。