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はじめの一歩
第1章 Butterfly
だが彼女はプロで、全くと言っていいほど隙を見せない。
他のホステスは、男を惹きつけるための、作り物の隙を纏っているが、彼女にはそれすらない。
なかなかきっかけが掴めないまま、気づけば2年が過ぎていた。
彼女についてわかることは、
アフターはあまり好きではなさそうだ、ということ。
何かプレゼントを貰うより、ボトルを開ける方が嬉しそうな反応をすること。
プレゼントをするにも、他の子のように、限定物やオーダー品などのオリジナリティーのあるものより、メジャーなものの方が喜ぶ傾向にあることだった。
どうすれば彼女を振り向かせられるか、
僕の関心事はそれに尽きた。
「誠さん、何だか楽しそうですね」
会社で話しかけられる。
「珍しい蝶を見つけてね。どうやって誘き寄せようかと思案してるんだ」
「昆虫採集の話ですか?誠さん、そんな趣味ありましたっけ?」
昆虫採集ね…ふふ、とほくそ笑み。
「最近ね」
と濁しておいた。
他のホステスは、男を惹きつけるための、作り物の隙を纏っているが、彼女にはそれすらない。
なかなかきっかけが掴めないまま、気づけば2年が過ぎていた。
彼女についてわかることは、
アフターはあまり好きではなさそうだ、ということ。
何かプレゼントを貰うより、ボトルを開ける方が嬉しそうな反応をすること。
プレゼントをするにも、他の子のように、限定物やオーダー品などのオリジナリティーのあるものより、メジャーなものの方が喜ぶ傾向にあることだった。
どうすれば彼女を振り向かせられるか、
僕の関心事はそれに尽きた。
「誠さん、何だか楽しそうですね」
会社で話しかけられる。
「珍しい蝶を見つけてね。どうやって誘き寄せようかと思案してるんだ」
「昆虫採集の話ですか?誠さん、そんな趣味ありましたっけ?」
昆虫採集ね…ふふ、とほくそ笑み。
「最近ね」
と濁しておいた。