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はじめの一歩
第1章 Butterfly
息子が、ホステス目当てにクラブに通い詰めている、という好ましくない事実に、母親はまだ気づいてはいなかったようだが、28の誕生日を越したあたりから早々に身を固めろと以前にも増して口煩くなり、頻繁に見合いの話を持ってくるようになった。
どうしても断れない話も中にはあり、何度か見合いはしたが、ちっとも興味が湧かなかった。
2人にされたあとの会話がつまらない。
店で彼女と呑んで話している時の方がずっと楽しかった。
こんな時、彼女ならこう答えるだろうか。
僕がこう振ったらこう返してくるだろう。
そんなことばかり考えてしまう。
そして、気づいた。
僕は、彼女が好きだ。
店の客とホステスという枠には納まっていたくない。
客ではなく、一人の男として、僕を見て欲しい。
そう思った。
どうしても断れない話も中にはあり、何度か見合いはしたが、ちっとも興味が湧かなかった。
2人にされたあとの会話がつまらない。
店で彼女と呑んで話している時の方がずっと楽しかった。
こんな時、彼女ならこう答えるだろうか。
僕がこう振ったらこう返してくるだろう。
そんなことばかり考えてしまう。
そして、気づいた。
僕は、彼女が好きだ。
店の客とホステスという枠には納まっていたくない。
客ではなく、一人の男として、僕を見て欲しい。
そう思った。