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今宵もネムリヒメに素敵な夢を...♡
第9章 クリスマスなんて…☆【雅】
「ッ…、マジでなんなのこの渋滞。チッ、どいつもこいつも他にどっか行くとこねぇのかよ」
都心の渋滞のど真ん中。何度踏まされたかわかんねぇブレーキペダルに足を乗せたまま、前のクルマを睨み疲れたオレはとうとうステアリングに突っ伏していた。
左ハンドルの助手席はいまだからっぽのままで、最高に機嫌の悪いオレの独り言だけが静かな車内にぽつりと消えていく。
外はもう日が落ちて暗く、それと対照的に輝きを増し始めるイルミネーション。
「…ったく、こんな日に外で待ち合わせしたいとか言ったのどこの誰だよ」
ついそんな不満を口走るも…
「………オレだ」
虚しい空振りの自問自答で即自爆した。
そう…
イブの今日、日中に仕事を一本抱えていたオレは、夕方その足で千隼と待ち合わせ場所に向かっているまっただ中だった。
…にも関わらず、
「ここにいる奴等のクルマ全部消してぇ…」
ある程度読めてる場所は回避したうえでの渋滞にドハマり。しかも待ち合わせの時間はとっくに過ぎてるし、挙げ句の果てには何度かけても繋がんねぇアイツの携帯電話とか…