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今宵もネムリヒメに素敵な夢を...♡
第11章 クリスマスなんて…☆【渚】
『チハヤ、私も会えるのを楽しみにしていたんだよ』
すると、そんな一連のやり取りを微笑ましく見守っていてくれた初老の男性が、自慢の真っ白な髭をなでながら千隼に向かって目尻をさげた。
『驚いたかい?私も彼から話を聞いた時は驚いたが…まさかナギサに呼ばれたら来ないわけにはいかないからね…フォッフォッフォ…』
「…ッ!!…ぅゥ…──」
すると、それを聞いた千隼の瞳にみるみる涙が溜まっていくのがわかった。
「おいおい…いきなり泣くんじゃねぇよ」
『フォッフォッ…これ、チハヤ。そんな顔をするでない。ナギサはキミのそんな顔を見るために私を呼んだのではないじゃろに…』
「ッ…だってぇ…」
それは瞬く間に一杯になり、キラキラと光を伴って彼女の瞼のなかから溢れだす。
その光景に、自分のなかで久しぶりに張りつめていたものが解かされ流されていくのを感じる…
「ヒッ、ク…だってこんなの…ッ…聞いてない…もん…」
ったく…
号泣かよ。
まぁ、確かにな…
「今年は行けない…って、それしか…」
お前のその気持ちもわからなくないさ…
けどな…
「バーカ…確かにロヴァニエミには行けないっては言ったけど、サンタに会えないとはひとことも言ってないだろ」
「ッ…!!」
けど今は久しぶりに…
「…笑えよ」
─お前の笑った顔が見たいんだよ。
だから…
「笑えって…」
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