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今宵もネムリヒメに素敵な夢を...♡
第17章 ちーちゃんの夏休み♡partⅧ♡
驚きなんて、もうそっちのけで。
強烈に襲ってくるそれとはまったく別な意味でのドキドキに、苦しくなる胸…
「…ちぃ」
耳元で囁かれるどこか頼りない声に、甘えるように存在を確かめながら名前を呼ばれると
そんな彼の姿にこっちの方が、いてもたってもいられなくなる。
「──うん…」
…目を閉じて背伸びをした。
背中に届いた手にキュッと力を込めて、
さらに近くへと抱き寄せられながら、全身で雅くんの温もりを受け止める。
彼の胸元にそっと顔を埋めると、そこから柔らかな香りが鼻を擽った。
洗い立てのコットンのような、柔らい石鹸のようなナチュラルな香りがアタシを包み込む。
「…雅くん」
「ん…?」
雅くんの匂いだ…
初めて彼の香りを知ったとき、その風貌からこのトゲのない優しい香りを意外だと思ったことを思い出す。
だけど、今はそんなことはちっとも思わない。
だって…───
「………」
…ん!?
「わっ…!!?」
「ばっ!!」
そんなとき、不意に背伸びをしていた足元が思い切りフラついた。
一瞬フワリと浮くような感覚に変な方向に傾く重心…
それを咄嗟の雅くんに支えられて事なきを得るものの、
「ゴ、ゴメン…」
な…なんだ今の……
び、びっくりした。
今まで彼の前では散々転んできたとはいえ、明らかに身を襲った不可解な感覚に軽く混乱する。