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今宵もネムリヒメに素敵な夢を...♡
第19章 秋の夜長に…♡
ひとりでふらふらしているところを見つかったら最後、朝まで離して貰えないことがもはや当たり前になりきっている。
そんなわけあって、こんなところであまりウロウロしているわけもいかず…
今夜ばかりはやってしまったことの罪悪感にせめてそれだけは避けておきたくて、アタシは意を決して返事のない彼の部屋のドアノブに手をかけ、静かに開いたその隙間にカラダを滑り込ませる。
しかし…
「雅く…ん──!?」
あ………。
…そこに彼の気配はなく、広がっていたのは暗闇と静寂で。
小綺麗に整頓された広い部屋に、アクセントのように置かれたシンプルな家具が並ぶ彼の部屋。
着いている灯りといえばほどよく落とされたダウンライトの照明だけで、辺りをぐるりと見渡せどベッドにもバスルームにも雅くんの姿はどこにも見当たらない。
ただ、ガラス製のセンターテーブルに置かれた車のキーと携帯電話から彼が帰っていることだけは確かで…
こんなことなら初めから雅くんの部屋で待つんだった…
窓から差し込んだ月明かりのスポットライトが、いつも彼が寝転んでいる革製のソファーをぽっかりと照らしているのを眺めながら息を吐く。
すると、ふと…
「あ…っ!!」
その光景にあることを思い出す。
アタシは瞬く間に踵を返すと、訪れて間もない雅くんの部屋を勢いよく飛び出した。