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今宵もネムリヒメに素敵な夢を...♡
第19章 秋の夜長に…♡
きっと、そうだ…
ふと思い浮かんだ情景を胸に、2Fの中央部分の吹き抜けから下の階へ緩い半円を描く階段を駆け下りる。
そして薄明かりのリビングを抜けアタシがやって来たのは、趣のあるとある扉の前。そこへ手をかけ、ゆっくりと押し開けると少し火照った身をさらう涼しい夜風。
ここは屋外…
アタシが雅くんの姿を求めてやってきた場所は、この邸の広大な敷地に設けられた屋外にあるプールだった。
適度なライトアップが施され、高い空から降り注ぐ月明かりを幻想的に反射する揺らめく水面。
まるでそれを眺めるかのように寝転ぶ影を、傍らのプールサイドの一角に置かれたベンチチェアのうえに見つける。
「雅くん…ッ──」
遠目から見るその姿は、顔は見えなくともすぐに彼だと確信できるもので。
アタシはすぐさま彼のもとへ駆け寄ると、こちらに背を向け横になる雅くんにそっと声をかける。
するとおもむろに寝返りをうった彼がこちらを振り向いて…
「おっせーよ…」
穏やかな笑みを浮かべる彼の口許からお決まりのような、彼らしいそんな返事が返ってきた。