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今宵もネムリヒメに素敵な夢を...♡
第19章 秋の夜長に…♡
…───
そのまま唇に優しい温もりを刻んできた雅くんとひとつのブランケットにくるまった。
頬をさらう風は冷たいけれど、互いに寄り添い合うそのなかは感じ合う温もりにとても暖かい。
「…そういやお前、オレが此処にいるってよくわかったな」
「うん…」
コツンと頭をぶつけてくる雅くんと指を絡め、先程彼の部屋を訪れた時のことを思い出す。
「…月がね、綺麗だったの。雅くんの部屋から見えた月。丸くて、大きくて……」
そう、さっき…
彼の部屋の窓から、見上げた空に月を見た。
それは澄んだ夜空に金色の油をまあるくといて浮かべたかのようにくっきりと明るく輝いていて、
この季節特有の美しい光は、今も並ぶアタシたちを上から照らしてはコンクリートの足許に寄り添う2つの影を写している。
「…雅くんなら見てるかなって」
そう思ったとき真っ先に思い浮かんたのがこの場所だった。