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今宵もネムリヒメに素敵な夢を...♡
第19章 秋の夜長に…♡





「お前、わかってんのな…」

「ッ─…、だって…いつも此処…だから」


顔を覗き込まれてにっこりなんて笑ってくるものだから、心臓にとんでもない負荷がかかった。

今夜の雅くんは、お酒でも飲んでいるのだろうか。

思わずサイドテーブルに置かれていたティーカップの中身を疑う。


「紅茶…?」

「ん、飲む?暖まるけど」


するとティーカップに手を伸ばしてくれた雅くん。

首をコクりと縦に振ると、カップを渡されるのではなく口を開けるように施される。

それから噎せんじゃねぇぞ、とカップに口をつけてから首を傾げた彼はアタシの頬をとって…


「ん…」


重なった唇の隙間から暖かいそれを流し込んだ。

口のなかに仄かな甘味が拡がって、香りの良いアールグレイの茶葉の香りと…

調和して溶け合ったブランデーの香りが鼻を抜ける。


「これ…ティー・ロワイヤル…」


それはコニャックなどの香りの良いブランデーをティースプーン一杯分染み込ませた角砂糖に火をつけ、アルコールを飛ばしたものを紅茶に沈め香りを楽しむ飲み物。

イイオトコは飲んでるものまでいちいちお洒落だ。





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