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今宵もネムリヒメに素敵な夢を...♡
第19章 秋の夜長に…♡
そうでした……。
はい、そうですよね。
そうでしたよね。
そのひとことでいつもクールで色気と余裕まみれの渚くんが、どうしてこんなにもカリカリしているのかを頭が痛くなるほど理解した。
「ごめんなさい、黙ります…」
─ショボン…
はは、そういうことか…
思い起こされるとある事情に、赤くも青くもなる顔をひきつらせ黙って口のチャックを閉めるアタシ。
「…んぐぐ、ちょっとちーちゃん、どういうこと?ナギ、なんであんなに怒ってんの?明らかにオレたちとは怒りの度合いが違い過ぎるんだけど」ヒソヒソ…
「え、えーと…」汗汗汗
「渚くんにしてはなんか理不尽なことしか言ってないよ。ね、なんかあった?」ヒソヒソヒソ…
「…、…………ないです、たぶん」汗汗汗汗
ま、まさか自分の口から"実は…"なんて言える訳がない。
それにもしこれ以上この場を炎上させたら、きっとこっちのふたりも魔王の業火に焼き尽くされて灰になっちゃう。
だって……
「あっ、わかったー♪もしかしてぇー…♪」
「なになに、聖♪」
「風邪のちーちゃん看病すると、なんかイイコトあったりしてー!!」
「…ちょっ!!声大きい───っ!!?」
─ゴゴゴゴゴ…
「……お前らなぁ」
ひぃぃ──!!
…ドッカ──☆──ン!!!
あの渚くんが珍しくもめちゃくちゃな言い分で柄にもなくむき出しの嫉妬心に業を煮やし、
他の人間にアタシの面倒をみさせたくない理由なんて……
ひとつしかないのだから!!