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今宵もネムリヒメに素敵な夢を...♡
第19章 秋の夜長に…♡
"ダメとは言わない。でもムカつく……"
あれからなんとか渚くんを含めた全員を無事に仕事に送り出した。
葵くんと聖くんは逃げるように玄関を飛び出していって、不機嫌な魔王様は今日は迎えのハイヤーでのご出勤とのこと。
なんとか納得してくれた…のかな!?
迎えの車に乗り込む頃には渚くんの様子も平常運転、いつもの彼に戻っていたと思う。
まぁでも、当たり前といえば当たり前だ。できた彼は仕事に私情は持ち込まない主義である。
…なんて胸を撫で下ろすこと数十分後、
泣かされた明智さんから苦情の電話を貰うことになるのだけれど…。
「…なぁ、ちぃ。なんだったんだ、渚さん」
「う、うーん…」
ぽかぽかと日が射すダイニングで、椅子に反対向きで股がった雅くんが背もたれに頬杖を付きながら首を傾げる。
みんなが出掛けていくと賑やかだった空気も一変して、のんびりと穏やかなものになる。
先程まであんなに毛を逆立てていた雅くんも今じゃご覧の通り、ちょっと気だるげないつもの彼のいつものマイペース振りを見せていた。