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今宵もネムリヒメに素敵な夢を...♡
第19章 秋の夜長に…♡
ラフなパーカーのフードを頭にすっぽり乗せ、はみ出したプラチナヘーゼルの毛先を陽に透かしながらあくびをひとつ。薄くレンズに色が入ったラウンド型の細フレームメガネの隙間から目を擦っている。
あぁ、なんたる無防備…
その少し眠そうな表情は彼のド偉く整った綺麗な顔をいつもより幼く見せて、母性本能が擽られるとはこういうことをいうのだろうか。
フードに可愛らしい動物の耳なんてどこにもついていないのに、まるで愛犬でも抱き締めるかように無性にギューっとしたくなる。
すると、
「ちょっと、ちぃ…」
くわっと大きく伸びをした雅くんが、上まで伸ばした手の指先でアタシを呼ぶ。
「頭、こっち」
「…?」
ん…
呼ばれてなにかと近づけば、両手でそっと頭を彼の方へ引き寄せられる。
そして、
─コツン…ッ…
「………っ」
「ん、よし…」
それだけ言って目を閉じる彼。
くっついたおでことおでこ…
これってもしや熱を測ってくれているのだろうか。
だとしたらものすごく逆効果だ。
勝手に人の母性本能を擽っといて、急にこんなドキッとするような行為とか…
これでもし正常値が測れるのなら、それは奇跡と言っていいと思う。