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今宵もネムリヒメに素敵な夢を...♡
第19章 秋の夜長に…♡





「で、どんなん?どこのが食いたいとかあんだろ?ただし車で行けるトコのにしろよ。つーか、せいぜい都内が限界だかんな」

「じゃ、あのブドウがいっぱいのやつ♪」

「ブドウ?」

「そう、シャインマスカット♪」

「あぁ…」

「こないだ雅くんが買ってきてくれたところのね♪」

「あぁ…、………っ、あ!!?」


そこでおでこに滞在していた彼の手がピクリと反応した───…


「あのね、タルトの上にみずみずしい皮付のマスカットがぎっしり乗っててね」

「………や、待て」

「それに和栗のミルクレープと…」

「…ちぃ?」

「あぁ、でもやっぱり♪」

「ちょっ、聞けって」


…──のは気のせいではなくて。


「なぁ、ストップ」

「…うん!?」


そこへいつぞや一緒に食べた絶品オムレツやら、やっぱり中華粥と杏仁ソフトのコンビやらのどちらを追加しようかと頭を悩ませたところで、横から静止の声がかかった。


「あのな、お前な…」

「………?」


再び横からのジト目でアタシの額の温度を計り始める雅くんの右の手のひら。


「食欲あんのはいいけどな、でもだからって、せめて都内だっつってんだろ。自分の今の状態少しは考えろ。それ、いったいどこまで買いに行く気だよ?」

「うーん…、ちょっとそこまで?」

「無茶言うな。往復時間考えろって」


えーと…

どこまでだっけ?

そりゃあすぐそこの…

すぐ…

そこの…!?






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