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今宵もネムリヒメに素敵な夢を...♡
第6章 ちーちゃんの夏休み♡partⅡ♡
後ろにお行儀よく控えていた予期せぬ連れふたりの存在を彼の視界が捉えるのは時間の問題で…
そうして再会の甘い一幕は僅かながらにして崩壊を迎えるのである。
『やらかしたって、トラブルか?』
「あー…そっちの方がよっぽどマシだ」
『………』
…あ、察した。
今ので絶対察した。
凄まじい表情の雅くんの電話のむこう側はもちろん渚くんに決まっている。
そのあとふたりは無言という名の言葉のキャッチボールを楽しんだようで、
『…千隼に代わって』
そんな声がアタシの耳に漏れ聞こえたのはしばらくしてからのこと。
「あ…えーと、もしも…」
相変わらず不機嫌極まりない雅くんに電話を渡され、恐る恐る口を開けば
『…残念だな、千隼』
「ひっ…!!」
ま、まままま、魔王だ…!!
その声色から彼がこれから何を言わんとしてるかだなんて、怖いほどよくわかった。
『精々オレに会うのを楽しみにしとけよ』
「…!!」
予想はしてたけど、脳裏に浮かぶのはもちろん"公開処刑"の4文字。
低められる声に背中を冷や汗が伝った。
完璧に終わったな、アタシの素敵なハワイステイ…
ねぇ、これってあんなクレーム神様に押し付けたせい!?
だったらすぐに謝るから───!!!
しかし、
『顔が見たい。会いにこいよ…』
「ッ…」
さっきの言葉を裏返したような甘い声色に全身に甘い痺れが走る。