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他人の妻、親友の夫
第9章 浮気の境界線
「はっ……あぁぁ……」

遅れて絶命の吐息が漏れる。
快楽が全身を駆け抜けているのか、脚や肩、背中がビクッと時折震えていた。

理依を解き放った満足感で、海晴も思わず笑みがこぼれる。
一度繋がりを抜いてから、そっとソファーに寝かせた。

恍惚の余韻に半身浸かりながらも、慎ましい彼女は身体を縮こめるように捻り、脚を揃えて曲げていた。更に手の甲を額に当て、もう片方の手はさりげなく胸元を隠している。
無意識の内でも品性を保とうとするその姿が堪らなく魅力的だった。
美しく、清楚な花ほど手折りたくなる。

大きく反り腫れた海晴の欲望は、その先端をひくひくと犬の鼻のように震わせていた。

ハンディカムを手に取り、ディスプレイ越しに彼女を視る。
ズーム機能を使わずに彼女に寄り、手に覆われたその表情を盗み視る。

「えっ……やっ……撮らないでっ!」

ようやくカメラが近付いてることに気付いた理依は慌てて両手をレンズの前に翳す。
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