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他人の妻、親友の夫
第10章 自分の妻、自分の夫
「それが抜けないようにせいぜい注意しろ」

冷淡な笑みは悪魔に見える。
乳首を抓られるのも、臀部を叩かれるのも、冷たい焔に蝕まれた身体には気持ちよかった。

「海晴さんにも教えてやろう。お宅の奥様はお尻にミント埋められて悦ぶド変態だって、な」
「それだけはっ……!!」

そんなことしないとは思いつつも、万が一を危惧すると気が動転した。
秋彦の目は爛々と輝いている。
『軽蔑する男』に反発しながら、自ら同化していく禁忌に酔いしれているようだった。
彼の中に眠っていた、加虐心は押し殺してきたことでより歪に成長している。

「もっと身体に刻んでやろう、奴隷の証を」

秋彦は鞄をたぐり寄せ、万年筆を手に取る。
白金製の先端がこれほど禍々しく尖っていることをはじめて知った。

「な、なにをっ」

そのしなやかな突端が乳首を突っついた。

「いぎっ……い、ああっ!!」

ちくっと痛みが走り、乳腺がぎゅっと締まる思いがした。
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