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他人の妻、親友の夫
第12章 エピローグ
抑えていた感情が一瞬で沸騰して爆発する。
溢れてしまった熱い滴も気にする余裕がなかった。

「海晴と離れて暮らして分かったのっ……どれだけ好きだったか、どれだけ海晴に支えて貰えていたの勝ってっ……どんなに辛くても、疲れてても、海晴がいてくれたら平気だったのっ! 甘えてたのは私の方っ……お願いっ……」

うまく纏まっていない言葉を撒き散らし、呼吸が乱れる。
もっと言いたいのに感情ばかりが空回りして言葉にならなかった。

「志步……」

肩に手を置かれ、その手を慌てて握る。
涙で歪んだ視界の先には静かに笑う海晴がいた。

「俺もだよ……志步と距離を置いて、どれだけ好きなのか、分かった」
「だったらっ」

海晴はやはり首を横に振った。

「もう少し……もう少し待って欲しい……」
「なんでっ……嫌だよ……そんなのっ……」
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