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他人の妻、親友の夫
第12章 エピローグ
「志步を守っていけるって、そう思えるようになるまで、待ってて欲しい」
「守るってなに? お互い助け合うのが夫婦だよ」

夫の言ってる意味は経済的な意味であることくらい志步にも分かっていた。
それでも論点をすり替えて、分からない振りを貫こうとした。

「ごめん、志步。わがままばかり言って」

しかし彼の意志は強かった。

「そうだよ……海晴ばっかわがまま言ってる……」
「ごめん。でもさ、これからも一生一緒に暮らしていくんだぞ? その中の数ヶ月くらい、大した問題じゃないだろう?」
「一生……暮らしていく……」
「当たり前だろ? え、何? 志步は途中で離婚しようとか考えてたわけ?」

海晴はわざと盛大に驚いた振りをした。

「馬鹿……真面目な話をしてるのにっ……」

結局いつものように彼に笑わされて話は終わってしまう。
それが嬉しかった。
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