この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
よくある恋愛モノ 〜おあずけ〜
第8章 オレもキミが好きってことだよ
「ねぇ、そろそろ真面目にやったら?」
美和がいつになく……いや、いつも以上に厳しい言い方をするのにはわけがあった
「えー……新年早々あれだが、おまえらももうすぐ受験生だ。一年後にはセンター試験もある。
いつまでも浮かれていないように」
そうなのだ
現高三の受験が目の前に迫り、美和たちも気を引き締めて然る時期にきていた
だが、この男は−−−
「そういうのは俺に勝ってから言え」
上から目線で笑って言うその視線の先には、冬季課題テストの成績優秀者が張り出されていた
相変わらずトップを取り続ける凪と、あと一歩及ばない美和
「いつか……後悔するよ」
半分心配、半分怒りを覚えながら忠告する
「肝に銘じとく」
全く信憑性のない言葉で、凪は美和をのらりくらりとかわしていく
そんなことがずっと続いていた
冬に学校行事はない
だが、愛に飢えた青少年には重大なイベントが残っていた
“時間が過ぎるのって早いなぁ”
あのびしょ濡れデートから早一年
再びバレンタインデーが迫っていた
“なんか……ちょっとあげたくない気分”