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よくある恋愛モノ 〜おあずけ〜
第8章 オレもキミが好きってことだよ



楽しいはずのイベントが近づくにつれ、暗くなっていく美和の顔

それにいち早く気が付いたのは同じ女子である陽菜乃だった



「最近元気ないね。大丈夫?」



とある日曜日、もうすぐ当日という日に二人で材料の買い出しに出たとき、陽菜乃は思い切って聞いてみた



「え、そ、そうかな? 私そんなに顔に出てる?」

「うん、美和ちゃん分かりやすいから」



ガーン!



なんていう効果音が聞こえてきそうなほど、美和の顔は固まっていた



「ほらね」



陽菜乃は美和の反応にクスクス笑うと、真顔に戻ってズバリ切り出した



「お兄ちゃんのことだよね?」



美和は何も言わずにただ頷く



「美和ちゃん優しいからなぁ」



今度は首を横に振る



「なんか文句あるなら溜め込まない方がいいよ」

「でも……何が嫌なのか自分でもよくわからないんだよね」



困った、という感じで黙り込む二人


「せっかくできるんだから…もっとやったらいいのに……」



しかし、凪の言い分も正しい

彼の下にいる限り、彼にどうこう言う資格はなかった



「別に間違ってないと思うけどなぁ」



陽菜乃はボソッと呟いた



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