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よくある恋愛モノ 〜おあずけ〜
第8章 オレもキミが好きってことだよ
「お兄ちゃんのためを思って言ってることなんだし、その愛を受け入れられないなら彼氏失格! 振っちゃえばいいんだよ!」
陽菜乃の爆弾発言にびっくり仰天して目をしばたく美和
「どうせ別れる勇気なんてないんだからさ」
にやっと笑ってウインクされると、なんだかそれでいいような気がしてしまう
「あっ! いーいこと思い付いちゃった♪」
「なになに?」
子供のようにはしゃぐ陽菜乃の話を、美和も悪戯っぽい笑みを浮かべて聞き出した
「ああ、それはいいね」
凪に災難が降り掛かるまで、あと二日−−−
「和泉くん……これ」
恥ずかしそうに顔を赤らめながら勇気を振り絞ってチョコを差し出す女子を、
「いらねぇ」
凪はすげなく追い返す
面白いことに、大半の女子はやっぱりそうだよねという程度の反応だった
「今年もモテモテだねー」
修学旅行で下がった株も、最近の素行と文化祭のコンテストの影響で再び右肩上がりになっていた
「さて、お兄ちゃんの下駄箱はいけーん」
「おまっ、勝手に……」
「あれ?」
下駄箱の中を見て陽菜乃は不思議そうな顔をする
「おっかしいなぁ。なんで一つしかないんだろ」
「知るか。お前にやる」
「あっ、わかった!」
凪の話は全く聞いていない
「入れにきた人が前にあったやつどんどん取ってっちゃったんだ!」