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よくある恋愛モノ 〜おあずけ〜
第2章 次は、きっと−−−
“まぁ、ちょっとよそ行きなくらいでいいかな……”
凪なんて、私の私服しょっちゅう見てるわけだし
「いやいやいや!」
“どこの世界に初デートの服を妥協する女子がいるのっ”
美和は首をぶんぶんと横に振り、ちらっと時計を見た
もう少しで7時−−−
凪との約束は8時で、まだ朝ご飯も食べていないというのに。
“どうしよう……”
壁に掛かった服を見てため息をつく美和
昨日のうちに用意しておいたのだが、改めて見ると全然ダメな気がする
しかし、服を選んでたら遅れちゃった♪なんてキャラじゃない
“仕方ない……これでいこう”
美和はその服を手に取ると、おもむろに着始めた
膝くらいまであるピンクのワンピース
上にカーディガンを羽織る
今日は暖かいというから、これ以上着込む必要はないだろう
“うん、大丈夫……だよね”
髪は下ろしておくことにした
こんなに気を使っても、凪は興味ないかもしれないけど。
リビングに行くと、父親が朝ご飯を食べていた
「おはよう」
「おはよう。……随分お洒落してるな」
少し尖った声を出す父
実は、美和の父親は浮いたことが嫌いで、美和の真面目過ぎる性格もこの厳格な父親の影響だった
「うん……凪と出掛けてくる」
隠しても仕方ないので、美和はそう伝えた
次にどんな言葉が返ってくるかは分かっている
「和泉さんのとこの次男か……昔は元気が良くていい子だったが、最近の行動は目に余る。確かにお前を助けてくれたのは感謝するが、私が帰る時間に出掛けていくような子だぞ。全くあの家の教育は……」