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よくある恋愛モノ 〜おあずけ〜
第2章 次は、きっと−−−
「そのくらいにしてよ、あなた。よそはよそ、うちはうちです。それに、最近は変わってきてるんですよ。それが美和の影響なら、こんなに誇らしいことはないじゃないですか」
「……ふん」
さしもの父親も、この母親の意見には弱かった
美和の何事にも臆さない強さは、母親譲りということだ
「行ってきます」
朝ご飯を食べ、歯磨きを終えて準備万端。
さぁ出掛けようというとき、
「5時までには帰って来なさい」
追い掛けてくる父親の声
「……はい」
少し遅れて返事をすると、美和は家を出た
“もう高校生なのに……”
さすがの美和も、父親の厳格さが異常だということに気づき始めていた
“そもそも風紀委員の仕事があるときは普通に6時過ぎちゃうんだから、別に5時じゃなくてもいいはずなのに”
美和も反抗期の娘
おまけに彼氏の悪いところをあれだけつらつらと並べられたら、むっとしないわけがなかった
「……なんかあったのか?」
いきなり目の前に凪が現れ、美和は思わずぶつかりそうになった
「ちょっと、急に出て来ないでよ!」
驚いたのと、少しくさくさしていたのとで、つい大声を出してしまう美和