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よくある恋愛モノ 〜おあずけ〜
第2章 次は、きっと−−−
「次は……水族館前……水族館前。お出口は……」
“やっと解放されるっ”
プシュー
ドアが開き外に出ると、火照った頬に潮風が気持ち良い
「……い。おい、美和!」
「へっ!?」
あまりに惚けすぎて、凪の呼び掛けにも気付かなかった
「大丈夫か? 今日ぼーっとしすぎたろ」
「ご、ごめん」
慌てて謝ると、凪に手を掴まれる
「迷子になんなよ」
そのまま美和の手を引いていく凪
迷子になるほど混んではいなかったが、今更そんなことは言えない
美和も美和で、この状況を少し楽しんでいた
「ペンギン、可愛かったねー!」
水族館内のレストラン
午前中を満喫し、すっかりご機嫌な美和だった
「あー……」
そして、それを持て余す凪である
前半に見たものといえば、アシカショーと、海底トンネルと、ペンギンのみ
余程気に入ったのか、ペンギンの前で30分も動かない美和を前にして凪は相当困ったのだ
“あんな……いつ動くかもわかんねーもの、よくそんな見てられるよな”
凪がそう思った瞬間、ペンギンが水の中へとダイブする
それを見てまたはしゃぐ美和
“まぁ……いいか”