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よくある恋愛モノ 〜おあずけ〜
第2章 次は、きっと−−−



凪は美和をその場に残して売店へと急いだ

幸い売店まではそう遠くない−−−

が、室内をびしょ濡れの男が歩いていれば、目立たないわけがなかった

しかもかなりの上玉である

まさに“水も滴る良い男”



“……っ”



流石に恥ずかしく、凪は適当にそこら辺にあったバスタオルを取ってレジへ向かおうとする

その時、彼はある物を目にしてふと立ち止まった−−−







「あの、大丈夫ですか?」



凪を待っている美和に声をかけたのは、気の良さそうな係員だった



「前の方に座っているのにレインコートを着ていないようだったから、心配だったんですけど……やっぱり濡れちゃいましたね」

「私、この席は大丈夫だと思って……っ」



美和は恥ずかしそうに顔を赤らめる



「まぁ、どっきりみたいなものなんですが、もう少し後ろまで注意書きした方がいいとは言ってるんですけどねぇ」



係員はそう言うと、



「ずっとここにいてもなんですし、裏に行って服乾かしませんか? お詫びに温かいお飲み物もご用意しますよ」



と、美和に誘いをかけてきた



「いえ、でも連れを待っているので……」

「でも、二月に半屋外なんて、お体に障ります」



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