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よくある恋愛モノ 〜おあずけ〜
第2章 次は、きっと−−−
少々強引な気もする
「特に女性には……」
有無を言わさない調子に、仕方なく美和が腰を上げかけた、その時−−−
「おい」
後ろから飛んでくる低い声
「お前、何してる」
係員はこの態度の悪い男に一瞬顔をしかめた後、
「あ、お連れ様ですか? ちょうど良かった。宜しければご一緒に……」
「よろしくない」
「は?」
凪の返答に、目を見開く男
「必要ないって言ってんだ」
「いや、しかし……」
なおも食い下がる係員にため息をつくと、凪はゆっくりと近づいていく
高校生とは思えない威圧感で−−−
「しつこいな……客の言う事が聞けねぇのかよ」
もともと背の高い凪だが、段差一つ分上から見下ろされ、男は竦み上がってしまった
「しっ…失礼しました……」
すごすごと引き下がる男が完全に見えなくなるまで見送ると、凪は美和の方に向き直った
「何かされたか?」
「別に……親切にしてもらっただけ」
美和は正直あんな言い方しなくてもいいのにと思っていたが、自分が招いたことだから仕方ない
そんな美和を凪は少しの間ただ見つめていた