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よくある恋愛モノ 〜おあずけ〜
第2章 次は、きっと−−−



「……早く拭け」



しばらくしてバスタオルを差し出した凪



「これ……」



美和は凪の意外性に目を丸くした



「好きなんだろ? ペンギン」



たくさんのペンギンがついた、可愛いバスタオル−−−



「……ありがとう」



“凪でもこんなチョイスできるんだ”



などと失礼なことを考えてしまう



「いいから早く拭け」



そう言われて慌てて髪を拭い始める



「……もうどこも見れねぇな」



凪が時計を見ながらボソッと呟いた

見ると、4時を少し回っている



体が乾いたらすぐに出なければ門限に間に合わなかった

楽しみにしていた白くまも、くらげコーナーもまだ見ていない



「……また来れば良いよ」



“次は、きっと−−−”



その微笑みが、凪には今日見たどの笑顔よりも愛おしく感じた−−−







帰りの電車は行きよりも少し空いていた

座った瞬間に、襲ってくる睡魔



“肩…借りたら嫌がるかな……”



そんなことを考えているうちに凪に寄りかかって寝てしまう美和

その頭に凪の手が触れる−−−

しかし、その直前で凪は手を下ろした

その顔には、またあの表情が浮かんでいた−−−



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