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よくある恋愛モノ 〜おあずけ〜
第2章 次は、きっと−−−
結局、アパートに戻ったのは5時半近く
「色々あったけど、楽しかったね!」
そんな美和に、
「……フッ」
と、ただ笑って返す凪
“門限は過ぎちゃったけど、この時間お父さんいないし、大丈夫だよね”
などと、美和らしからぬことを考えながら玄関のドアを開ける
「送ってくれてありがとう……って程でもないか」
「あぁ、じゃあな」
そう言って別れようとした二人を、
「ちょっと待ちなさい」
と中から引き止める声
体を固くした美和の後ろから出てきたのはもちろん−−−
「5時までに帰れと言ったはずだな」
彼女の父である
「ごめんなさい」
咄嗟に謝る美和
「謝る時には人の目を見なさい」
そう言われて仕方なく振り向く
「門限を破ってごめんなさ……」
「待て」
再び謝りかけた美和を、凪が遮った
「いつもの強気なお前はどうした? こんな理不尽、おかしいと思わねぇのかよ」
そして、深呼吸をして続ける
「門限を破ってしまい、申し訳ありませんでした。帰りの電車で寝過ごしてしまい、このような事態になってしまいました」
と、柄にもなく丁寧な言葉を並べる
「ですが、彼女の意見も聞いて下さい。彼女はいつも部活動や委員会で帰宅時間は7時近くになることもあるはずです。それに、5時までにというのは高校生には早すぎませんか?」